KAMIJO「Heart」(2014/9/24)

1.Vive le Roi
2.Rose Croix
3.闇夜のライオン
4.Louis ~艶血のラヴィアンローズ~(Symphonic Metal Version)
5.Death Parade
6.Romantique
7.抱きしめられながら
8.Moulin Rouge
9.サンクチュアリ
10.片手に夢を持つ少女
11.追憶のモナムール
12.Heart





どれだけ時が経っても世界観を何よりも重んじ、誰よりも薔薇を愛する男…

LAREINEやVersaillesのボーカルでもお馴染みの耽美界のカリスマと言えば…そう、KAMIJOですね。


そんなKAMIJOが先月にソロでの初メジャーアルバムをリリースしました。

これまでインディーズで1枚、メジャーで2枚のシングルと1枚のミニアルバムを発表してきたKAMIJOですが、まさに機は熟したと言わんばかりのこのタイミング。

ソロでリリースされた作品が軒並み素晴らしかったので聴く前からもうアルバムの完成度の高さは保証されてたようなもんですが、実際聴いてみるとやはり素晴らしかった!!

というわけで、発売から少々時間は経ってしまいましたが、そんなKAMIJOの記念すべき1stアルバム「Heart」を今日は取り上げます。


今回のアルバムの良さはなんといってもその構成。世界観を重んじるKAMIJOだからこそのまとまりのある1枚に仕上がっていると思います。曲はただの曲にあらず、それぞれが纏まって一つのストーリーを作り上げているので、曲単体で聴くよりも、1枚を通して聴いたほうが断然素晴らしい作品に感じますね。KAMIJOの構成力の高さは先のミニアルバム「Symphony of The Vampire」でも遺憾なく発揮されていましたが、今作でもさすがと言うほかないです。

KAMIJOは今作「Heart」でもルイ17世をコンセプトにした物語を展開。人々の心を領土とし、侵攻する帝国「Rose Croix」の王であるヴァンパイアと化したルイ17世の、人間の女性との禁断の愛や王としての誇りなどを巡る一大ロマンスが繰り広げられますが、その壮大な物語を見事に曲で表現しきっています。

前半は帝国の進撃を思わせるようなリズムの速い攻撃的な曲が、中盤には愛を歌うロマンチックな曲が、そして、終盤には革命が決着へと向かうように疾走感溢れる激しい曲が並び、聴き飽きることはなく一つのストーリーを読むかのように楽しめます。

さて、アルバムに込められた物語はさておき、曲について言いますと、とにかく全曲素晴らしかったというほかないです!!シングル曲もアルバム曲も等しく素晴らしい。全体的にVersailles時代のようなシンフォニックメタルサウンドがメインであり、様式美をこれでもかと極めた美しき作品に仕上がっています。

中でもひときわ輝きを放つのがインディーズからシングルリリースもされた「Louis ~艶血のラヴィアンローズ~」。ソロ初作品だったためKAMIJOも気合いを入れて作ったんでしょうか?他の曲と比べてもインパクトの強い曲です。しっかりとツボを押さえた歌詞と勢いのあるメロディに非常に高まりますね。最初のサビ終わりからの美しき間奏、そして大サビ前からの展開があまりにも劇的!!おまけに最後のKAMIJOのやりすぎなファルセット!これには笑いと涙が止まらない!最高過ぎます!伊達に20年も薔薇薔薇言ってるわけではないですね。名曲だと思います。まさにソロデビューを飾るに相応しい1曲だったと言えるでしょう。

また、今作ではこれまでのキャリアを上手く糧としているなと感じられました。優雅でロマンティックなバラード、「Romantique」は哀愁を感じさせる良曲であり、KAMIJOにとって1回目のメジャー進出を果たしたバンドであるLAREINE時代を彷彿とさせます。KAMIJO曰く、この曲は「本気でロマンティックな曲を作ったらどうなるか」というコンセプトで作ったそうですが、まさにそのコンセプト通りの本気のロマンティックナンバーになっているんじゃないでしょうか。

そして、アルバム終盤「サンクチュアリ」~「Heart」の流れは実にいいですね。アルバム中盤では鳴りを潜めていたメタルサウンドが再び登場!

この終盤4曲はどれも本当に素晴らしいのですが、個人的にグッと来たのは「片手に夢を持つ少女」。ダークな雰囲気を纏う他の曲に比べると明るくキャッチ―。爽やかささえ感じられるようなハイテンポなメタルチューンに仕上がっていて有無を言わさぬカッコよさがありますね。

そして、なんといっても物語を締めくくる最後の曲「Heart」は8分30秒を超える大作!しかし、冗長な作品になってしまっていることはありません。場面に応じて激しく曲調を変化させながら物語の結末を奏でていく非常にドラマティックな1曲となっています。あまりにも劇的に、そしてシリアスにこのストーリーのクライマックスを飾っている傑作でしょう。


というわけで、KAMIJOのソロ初アルバム「Heart」。ほんと期待を遥かに超える出来だったので素直に買ってよかったなと思えたアルバムでした。20年もの間、薔薇を愛し、耽美を愛したKAMIJOだからこそ生み出せた渾身の1枚ではないでしょうか。

ついでに、アルバム購入特典でインストアイベントにも参加できたんですけど、生KAMIJOを至近距離で見ることも出来たし、LAREINEの「Métamorphose」を聴くことも出来たしでなかなか楽しかったです。

世の中、V系というだけで若干の偏見を抱かれてしまいがちなのに、その中でもさらに濃い世界観を持つ作品なので、どうしても人を選んでしまうということはあると思いますが、偏見があるという方にもぜひ一度は聴いてみていただきたですね!

このまとまりのよさ、そして曲のクオリティには目をみはるものがあると思います。