アニメが始まるや否や、子供を中心に注目を集めて今や幅広い世代に大人気となったアニメ「妖怪ウォッチ」。

その主題歌として異例の大ヒットとなった「ゲラゲラポーのうた」に続く、キング・クリームソーダの2ndシングル「祭囃子でゲラゲラポー/初恋峠でゲラゲラポー」のリリースがいよいよ明日に迫りました。

また、コミカルなアニメPVや歌詞、そしてダンスが話題を呼び、各所で大きな注目を集めた「ようかい体操第一」に続くDream5のダンスナンバー「ダン・ダン・ドゥビ・ズバー!」も同日にリリースされます。





初代OPの「ゲラゲラポーのうた」はアニメの人気が上がり、ゲームが発売から1年を経て出荷100万本を達成しようという絶妙なタイミングでリリースされ、オリコンの週間チャートで初登場4位、初動2.2万枚と快調な滑り出しを決めていました。2週目以降も堅調な推移を見せ続け、18週目にはついに累計10万枚を突破。25週目となる最新チャートでもTOP30をキープしており、累計も12.3万枚まで伸ばしています。

そんな中、リリースされる今作「祭囃子でゲラゲラポー/初恋峠でゲラゲラポー」は「ゲラゲラポーのうた」を凌ぐ大ヒットシングルとなるのではないかという見込みがあります。

それは「ゲラゲラポーのうた」が通常盤+初回盤(DVD付)という2種リリース(DVD付属以外に違いはない)だったのに対し、今作は通常盤が3種(CDのみ、祭囃子DVD、初恋峠DVD)+初回盤2種(それぞれ違う「妖怪メダル」付属計5種リリースであるからです。

DVDに関しては「祭囃子でゲラゲラポー」のMVを収録したものと、「初恋峠でゲラゲラポー」のMVを収録したものの2種類があり、これはそこまで売上げに影響するということはないと思うのですが、肝心なのは初回盤の「妖怪メダル」。

この「妖怪メダル」というのは、作中で主人公が友達になった妖怪を呼び出すために使うメダルを模した玩具なのですが、ゲームと連動しており、ゲーム内で使用できるコードがついていたり、メダルで遊べる専用のおもちゃがあったりということで現在大ヒット商品となっています。その売り上げ枚数は今年の上半期だけで3000万枚を超えており、あまりの人気ぶりに全国で品薄が続いたため、ネットオークションなどで高値で転売もされていました。

そんな妖怪メダル、やはり世間の注目度は非常に高く、メダル欲しさに購入するという人も大多数いると思われます。例えば、雑誌の話になりますが「妖怪ウォッチ」の限定メダル「スイカニャン」が付録だった今年の「コロコロコミック」9月号は、それまで停滞していた部数がメダル効果で一気に押し上がり、実に4年ぶりに100万部を売上げるという快挙を成し遂げました。今作でもこれと同じ現象が起きる可能性は高いです。

前作「ゲラゲラポーのうた」がリリースされた時よりも、「妖怪ウォッチ」人気は上がっていますし、これから劇場版や「妖怪ウォッチ2 真打」の発売も控えており、人気のピークはまだまだ見えないですから、今作のCDがメダル効果も相まってヒットとなるのは間違いないでしょう。



キング・クリームソーダ「祭囃子でゲラゲラポー」


そもそも、「ゲラゲラポーのうた」自体すごくクオリティの高い曲なんですよね。最初、この曲をよく知らなかったときは「ゲラゲラポー」という謎のワードを繰り返すのが子供に面白がられて話題になったんだと、いわゆる子供向けアニメソングなんだなと思っていたのですが、フルで通して聴いてみるとゲラッパーによる本格ラップ、マイコによる歌謡チックな歌メロ、ZZROCKによるソウルフルなサビ、そして異常な中毒性を持つ「ゲラゲラポー」パートが続くという、決して子供騙しではない難易度の高さに驚かされる楽曲だったんですよ。この大胆でインパクトのある曲構成、間違いなく今年リリースされたアニソンでは上位に入る出来ではないでしょうか。

それにしても子供に流行っているとは言いますが、カラオケとかでこれを歌うファミリー層は果たしてどこまで歌いこなせているのか気になるところ…。(やっぱりゲラゲラポーの部分しか歌わないんでしょうかね)

そんな前作に負けず劣らず、今回の「祭囃子でゲラゲラポー」もかなり凝ったトラックになっていますね。楽曲自体の難易度もさらに上がっているように思えます。MVには芋洗坂係長(懐かしい)が起用されており、間奏でマイケルジャクソンをモチーフにしたようなキレのあるダンスを披露しています。



キング・クリームソーダ「初恋峠でゲラゲラポー」

こちらでは演歌調の節回しが加えられており、「祭囃子」との差別化が図られていますね。


というわけで初動は確実に前作を超え、週間でも結果を残すとは思いますが、いずれも「ゲラゲラポー」の流れを汲む派生楽曲であるため、楽曲への注目が前ほど高くないというのが難点だと思います。

事実、「祭囃子でゲラゲラポー」、「初恋峠でゲラゲラポー」は両MVとも公開から1週間の時点で4万程度。CDの発売直前となった今でも大体10万再生くらいでそこまで注目度が高いとは言えません。楽曲自体の浸透度が低ければ「ゲラゲラポーのうた」の時のようなロングヒットは難しいでしょうし、メダル効果があるとはいえ、結果的に前作を下回る成績となる可能性も否定はできないでしょう。リリースされた後、どれだけ話題になるか、どれだけ楽曲が知れ渡るかがカギとなりそうです。ちなみに「ゲラゲラポーのうた」のMVはすでに560万再生を突破しています。






そして、キング・クリームソーダ同様、「妖怪ウォッチ」効果で世間の注目を集めたのが「ようかい体操第一」を歌唱したDream5です。

Dream5はNHK「天才てれびくん」から誕生した男女混合5人組のダンス&ボーカルユニット。これまでオリコンTOP10入りの経験などはあったものの、知名度はそこまで高いとは言い難いものでしたが、「ようかい体操第一」と共にそのグループ名を全国に知らしめました。

「ようかい体操第一」はYoutubeで<体操ビデオ>が400万再生を超え、アニメPVに至っては4400万再生というとんでもない数字を叩きだしており、Dream5にとって代表曲レベルの曲になったことは間違いないのですが、問題はセールスにあまり繋がらなかったこと。

「ようかい体操第一」は知名度こそありますが、楽曲自体が本当に子供向けの曲であったことや、「Break Out/ようかい体操第一」として両A面シングルとしてのリリースだったため、「Break Out」のほうが音楽番組などで披露されたこともあり、「ゲラゲラポーのうた」ほどの注目を集められず、セールスにはそこまで影響がありませんでした。実際にこれまでの累計は3万枚台にとどまっており、楽曲の知名度の割にはグループへの還元がなかったと言わざるをえません。

そんな次こそ本格ブレイクといきたいDream5がリリースする楽曲は2007年頃に日本で大流行したエクササイズ「ビリーズ・ブート・キャンプ」をパロディした「ダン・ ダン・ドゥビ・ズバー!」。

「ようかい体操第一」と打って変わってテンポが速くダンサブルな1曲になっていますが、合間に「ビリー隊長」をモデルにした「ブリー隊長」によるダンス指導が入るなどコミカル要素は健在。振り付けも小さな子供にも真似しやすいものになっていて、「妖怪ウォッチ」を見る子供たちを強く意識した楽曲になっています。

販売形態にも抜かりはなく、初回盤(DVD+「妖怪メダル」付属)+通常2種(DVD付/CDのみ)+MUSIC CARD13種(絵柄違い)の計16種となっており、前作を超えるセールスとなる可能性は非常に高いですね。

ただ、「妖怪ウォッチ」色が強すぎることで従来のDream5ファンが離れ、「妖怪ウォッチ」以降のグループの活動に不利益をもたらす可能性があるという問題もありそうです。


Dream5「ダン・ダン・ドゥビ・ズバー!」



キング・クリームソーダ、Dream5の両グループ共に、リリース条件や状況の変化がどのようにセールスに現れるのでしょうか。個人的には度肝を抜く様なチャートアクションを見せてほしいものですが、いったいどのような結果になるのか、来週のチャートからは目が離せなさそうです。


また、12月公開の劇場版「妖怪ウォッチ」の主題歌で、キング・クリームソーダとDream5、そして振付師のラッキィ池田によるスペシャルユニット、ようかいキング・ドリームソーダによる楽曲「ゲラゲラポー走曲」が10月29日に配信されることも決まっています。「ゲラゲラポー走曲」はこれまでの両グループの妖怪ウォッチ曲をすべてリミックスした曲で、一連の「ゲラゲラポー」曲の集大成と言える楽曲になっています。


ようかいキング・ドリームソーダ「ゲラゲラポー走曲」