ORESAMA「oresama」(2015/12/2)

1. KARAKURI
2. オオカミハート
3. Morning Call
4. Listen to my heart
5. ドラマチック
6. 迷子のババロア
7. 密告テレパシー
8. 恋のあじ
9. あたまからモンスター
10. 乙女シック
11. カラクリ





今作は渋谷発ネオポップユニット、ORESAMAによる1stアルバム。

なんですけど、まずORESAMAについて簡単に説明します。多分、そんなにまだ有名じゃないと思うので。

ORESAMAは2014年に結成されたばかりの音楽ユニットで、作詞・ボーカルを担当する”ぽん”と、作曲を担当する”小島英也”の2人組。

ORESAMA(オレサマ)となんとも珍妙なユニット名ですが、インタビュー記事によると、「2人とも控えめな性格なので、ユニット名は「ドシン!」としていたいと思ったから」という理由で命名されたそう。

彼らのデビューシングル「オオカミハート」が、俺様系男子に恋する女の子が主人公の漫画「オオカミ少女と黒王子」のアニメ化の際に主題歌として起用されていたので、ユニット名を見て最初はアニメ用ユニットかと思いきや、全然それは関係ないところで命名された名前だと知ってびっくりしたものです。

そんな彼らの音楽は90年代のファンクを下敷きにしたエレクトロミュージックに今風のアレンジ施したシンセ・ポップ。本人たち曰く、”ハイブリッド・ネオ・ポップ”と呼んでいるそうですが、その呼び名の通り、懐かしい雰囲気を残しながらも、今時の音も取り入れてチープさを感じさせない聴き応えのある楽曲が特徴です。



というわけで、そんなORESAMAの1stアルバム「oresama」がなかなか良い作品なんですよ。

とりあえず、まずはシングルとしてもリリースされた「オオカミハート」。なんといってもこの曲でORESAMAは世に出たわけですから、現時点は一応の代表曲でしょう。

印象的なイントロ、シンプルで耳馴染みのいいポップなメロ、ブレイクしての伸びやかなサビが聴いていて気持ちがいい1曲です。


「オオカミハート」

「オオカミハート」はアニメタイアップもあるし、とりわけポップなんですけど、ORESAMAの曲はだいたいこんなテイストのものが多いです。

やはり基本は80、90年代ディスコ・ファンクをベースとしたテイストの音作りがされており、アルバム全体を見ても洒落た楽曲が並んでいます。一貫してポップですし、非常に聴き安いアルバムだと思うので、この手のジャンルが好みであれば結構オススメですね。

シングル「オオカミハート」、アルバム発売に先駆けてYoutubeで公開された「乙女シック」、「ドラマチック」などポップでキャッチーに突き抜けた楽曲の印象が強いですが、アルバム曲も佳曲揃いです。



「乙女シック」



個人的にはブギーファンク要素強めの「Morning Call」や「Listen to my heart」の耳馴染が良くてリピートしてます


アルバム中盤の「迷子のババロア」「密告テレパシー」は少々のダークさがあり、アンニュイな雰囲気の曲。この2曲からはメランコリーな世界観が垣間見れて違った魅力を感じます。歌詞は結構面白い視点があると思ったので、この路線をもうちょっと突き詰めたらいい曲が出来そうな予感がします。

後半「恋のあじ」「あたまからモンスター」はピコピコしたカワイイ系の楽曲で、これはチープさがいい味出してますね。

そしてトラックとして聴き応えがあるのは断然ラストの「カラクリ」。妖しいメロディラインが癖になる曲ですね。歪んだストリングスも焦燥感を煽るようでスリリングだし、トリッキーで面白いと思います。アルバムの最後にこの曲があることで、またアルバムをリピートしたくなる効果があると感じました。


というわけで、ORESAMAの「oresama」ですが、もうひとつ何かユニットの個性となるようなずば抜けた要素が欲しいとも思いましたが、個人的には12月の暮れに良い買い物をしたなって感じです。

最近は海外のブラック・リバイバルの風潮が日本にもやってきていると言われていますが、tofubeatsの台頭などもありますし、日本でも80、90年代のディスコ・ファンクが評価される向きにあるので、彼らもその波に乗れるようなポテンシャルがあるんじゃないかなと。

また、MVを見ていただければわかりますが、高橋留美子の代表作の一つである「うる星やつら」に影響を受けたというビビッドな色使いのレトロポップなアートワークや、ボーカルであるぽんのファッションは同性の支持を獲得できそうな要素だと思います。

トラックメイカーの小島英也もアイドルへの楽曲提供を行ったりと、徐々に活動の場を広げているので今後が楽しみな2人組です。次作にも期待しています。