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2017年3月に結成10周年を迎えるヴィジュアル系バンド、Versaillesの初武道館公演が2月14日に行われました。

Versaillesの初武道館、それはすなわち薔薇と共に歩む日本一のロマンチスト、KAMIJOの20年に及ぶキャリア初武道館ということ。これを見逃すわけにはいかないということで、もちろん行きました。



昨年、3年の沈黙を破り活動を再開した薔薇の末裔、Versaillesは舞浜アンフィシアターで復活の儀を執り行ったわけですが、その場で発表されたのが今回の武道館公演。

これまでの最高キャパが活動休止前のNHKホール(だいたいキャパ3500くらい)だったVersaillesが武道館は無謀じゃないか…と発表されたときは心配したものですが、やっぱり公演当日も心配でしたね!

武道館公演といえば、開演前はグッズを購入するファンや、入場待機するファンでごった返すものですが、この日の武道館前は穏やかな様子で…というか、やけに静かな…。超格安学割チケットや、来場者限定ミニアルバムの配布など、武道館を埋めるための施策はされていたものの、果たしてどれだけの薔薇たちが武道館に集まったのか、未知数。

券を引き換えて、恐る恐る会場に足を踏み入れると眼前には巨大なステンドグラスの映像が映し出されたシンプルで厳かなステージ。それと、やたらゆったりとしたアリーナ席。今回アリーナはVIP席に指定されていて、お高いチケットだったわけですが、その席数は正味、600~700席くらいという、非常に余裕のあるセッティングで、正真正銘のVIP感ある席でした。まぁ、そのへんは多分みんな想像の範疇だとは思います。Twitterで会場内を撮影した写真が出回っていて色々言われていましたが、逆にVersaillesの武道館に1万人集まると思っていたのかと問いたいし、そもそも会場内は撮影禁止!あのですね、今回の武道館は演ることに大変な意義があるんですよ。そういうことなんです。それに、開演直前には用意された席はおおかた埋まり、4000人~5000人はいたんじゃないかなってくらいですし、Versaillesの現状を思えば御の字だと思いましたよ。

開演時間から15分ほど遅れた18時45分頃、会場は暗転。暗闇に包まれた武道館は、ファンの持つ色とりどりに輝くローズライトに照らされていき、なんとも美しい光景に。まるでアイドルのライブみたいですね。そして、いつものVersailles入場曲「Prelude」が鳴り響くと、ステージ上には手にロウソクを持った黒装束が続々と登場。70人くらいいたんじゃないでしょうか。そして、黒装束の集団に続き、メンバーが一人ずつ登場し、会場からも歓声が上がります。最後に我らがリーダー、KAMIJOが登場し、一際大きな歓声が上がると、それに応えるようにいきなりの「Aristocrat's Symphony」!ステージ上には火柱が立ち込め、黒装束集団による生クワイアが響き渡ります!なんともド派手な1曲目!!Versaillesの武道館公演が幕を開けたわけですが、とてつもなく素晴らしい幕開けだったと思います。

続けて「Ascendead Master」、「Shout & Bites」と定番のナンバーが演奏される一方、その次に披露されたのが武道館来場者に配布されたアルバム「Lineage」に収録されている新曲「Inheritance」。ゆったりめのテンポで低音を響かせる聴き応えのある1曲です。というか、今回配布された「Lineage」がかなり名盤なので、今回会場にこれなかった人の手にも渡ってほしい。配信とかで遠方の人も買えたらVersailles的にも絶対得すると思う。ひとまず今後のVersaillesのライブ会場等で販売があるっぽいので、まだ持ってない人はぜひ。ただ、聴きたいからといって転売のは買っちゃダメですよ、皆さん。撲滅!転売厨!

さて、そんな新曲も含め、さすがVersaillesというべきパフォーマンスが次々と繰り出された前半戦も7曲目の「Chandelier」で一旦終わり、皆さんお待ちかね、KAMIJO漫談のコーナーがやってきました。

KAMIJOは今回の武道館公演前の海外ツアー中、ポーランド公演でステージから転落し、脚を怪我して歩くのもままならない状態だったことに触れ、松葉杖や車椅子での生活を余儀なくされたとのこと。そこで、気づいたことがあると切り出し、間を置き、「それはバリアフリー」

はい!会場ドカーン!!さすがKAMIJO漫談、滑りませんなぁ!!

いや、今回のKAMIJOのMCはなかなかよかったと思うんですよ。このあと、「スタッフやファンの皆さんに文字通り、支えられてここまで来れました。」「会場にいる皆さんに出会えたのも運命…では、聴いてください。『DESTINY -The Lovers-』」と曲紹介までちゃんとオチもついてたし!

以前は「おはぎの話からの唐突なムーラン・ルージュ」だったり、「ラーメンを頭から被った」とか「お前らお風呂に入ろうぜー!」みたいな完全に意味不明なMCしてましたからね。さすが武道館、KAMIJOのMCもキレキレだったということでしょうか。ただ、MC後の「DESTINY -The Lovers-」はキー下げだったうえに、出足ふにゃふにゃで若干ズコーでしたが、まぁ、それはご愛嬌ということで。

「DESTINY」の次は「After Cloudia」と泣きのメロスピが続き、その次に「Philia」が演奏されたのですが、なんでも公演前に「武道館で1曲でも多く演奏するには全部の曲を速弾きしたらいいのでは?」という提案がTERUからあったそうで、それは結果的に実現してないのですが、それにちなんで、「Philia」だけ”ちょっとだけ速弾き”で披露するとのこと。というわけで、「原曲の向こう側に!」の掛け声と共に、ややスピードアップされた「Philia」が披露されました。

「Philia」が終わると、KAMIJOはMCでVersaillesのベーシストであり、エターナルメンバーのジャスミン・ユウに触れ、「約束の場所だった武道館で、彼に捧げる」といった具合に、もう会えない人へ思い焦がれる切ないバラード「Serenade」を披露。後ろのスタンドグラスの映像が変化し、「Serenade」が収録されたアルバム「JUBILEE」のジャケットにも描かれていたキューピッドが出現。KAMIJOの歌声にも熱がこもっており、曲中、メンバーの表情に悲しみが現れる場面も。ファンもグッと来る人が多かったのではないでしょうか。ちなみに、私の横の席だったホワイトロリータのお姉さんも白いハンカチで涙を拭ってました。

「Serenade」が終わると、KAMIJOは一旦ステージから捌け、楽器隊による演奏から始まる16分半にも及ぶ大曲「Faith & Decision」が披露されました。曲の長さが長さだけに、生で聴けるチャンスはなかなかない曲ですが、ここで披露されるということは、これが本日のメインディッシュということでしょうか。曲後半でKAMIJOのアカペラや、完全な無音になる箇所があり、そこでのKAMIJOが最高にかっこよかった。静寂の中、ポーズを決めてステージ上に佇むKAMIJOが空間を支配しているかのようで、その姿に釘付けになりましたね。長尺の歌ですが、演奏も歌もかなり仕上がっていてよかったです。

そして、本編ラストはみんな大好き「MASQUERADE」。いやぁ、もうこの日の「MASQUERADE」が良すぎて!これがこの日一番だったかなと思います。ラストに「MASQUERADE」っていう配置がもう素晴らしいんですけど、最初に出てきた黒装束クワイアが再度ステージ上に表れ、重厚なコーラスを披露するし、KAMIJOもノリノリで高らかに歌い上げるし、もう、最高すぎて、今まで一番最高の「MASQUERADE」でした。最高!

アンコールではこれまた新曲で、アルバム表題曲である「Lineage」と「The Red Carpet Day」を披露。まだ、あの曲が出ていないということは、ダブルアンコールもあるということで笑

というわけで、ダブルアンコール。KAMIJOの10周年を迎えられたことについて、ファンに対する感謝のMCから始まり、ローズライトが輝く会場を見渡し「この景色が見たかった!」の言葉、そしてVersaillesのインディーズ時代からの必殺バラード「Sympathia」を披露。ここでも感動のあまりか涙する隣の席のホワイトロリータお姉さん。涙しながら振ってるローズライト、私の眼前に来てて前見えませんよ、お姉さん。

というわけで、最後はKAMIJOの「永遠に夢を見ましょう」という言葉で締め。お約束の「The Revenant Choir」でVersaillesの武道館公演は幕を閉じたのでありました。


いやー、ほんとに良いライブだったなと思います。そりゃ、始まる前は客入りの心配だとか、当日チケット引き換え列のグダグダっぷりにちょっと不安にもなったし、ライブ中も映像の乱れとか、横のホワイトロリータお姉さんが大変熱心に応援されていて、勢い余った髪とかライトが顔に当たるなぁと思ったこともありましたが、ライブ内容は大変満足でした。それに、なんといってもKAMIJOのカリスマ性ですよね。耽美を貫き、薔薇とともに生きる男、KAMIJOの人としての美しさ。今回もとても感じました。正直、動員力不足ながらも武道館を行い、形にしたのは紛れもなくKAMIJOの人徳によるものだと思うわけですよ。KAMIJOにはまだまだついていこうと思いました。

それに、Versaillesはまだ終わらないでいてくれそうだし、一安心です。実は、ライブを見てて、このライブの終わりに解散発表でもあるんじゃないかという謎の不安が頭を過ぎってまして。なんか、物悲しさがあるライブだったんですよ、この武道館公演。武道館を目標としてきた活動休止前までのVersaillesを葬り、そのままバンド自体も満足して活動を終えてしまうのでは…とそんな危惧は、まぁ、杞憂に終わったのでいいんですけど、なんか切ないライブだったなと。

何はともあれ、VersaillesにはKAMIJOの言うとおり、10年、20年、30年とこれからも時を重ねて更なるスーパーバンドに成長して欲しいですね。頑張れKAMIJO、頑張れVersailles!