倉木麻衣「渡月橋 ~君 想ふ~」(2017/4/12)

1.渡月橋 ~君 想ふ~
2.渡月橋 ~君 想ふ~(Instrumental)
3.Time after time ~花舞う街で~ (TIME TRAVEL PARADOX REMIX)


※トラック3は通常盤のみ












倉木麻衣、通算41枚目のシングル。

今作はアニメ「名探偵コナン」シリーズ21作目の劇場版「名探偵コナン から紅の恋歌」主題歌として書き下ろされた作品。映画は京都を舞台としたストーリーのため、琴が用いられたサウンドなど和風なテイストに仕上がっており、まさに映画のための1曲です。

倉木麻衣が2003年リリースした「Time after time~花舞う街で~」も、今作と同じく京都を舞台にしたコナン映画「迷宮の十字路」の主題歌であり、R&Bに和のテイストを取り入れた楽曲となっていましたが、「渡月橋 ~君 想ふ~」はそれをさらに和風にしたようなイメージ。京都の雅さであったりとか、趣をより強調して表現している印象を受けました。

映画に非常によくマッチした曲となっており、映画のエンディングで流れているのを聴いて、そのままの勢いで購入したという人も少なくないはずです。

実際、オリコンチャートでは初動で3.0万枚を売り上げ、iTunesなど主要配信チャートでは首位獲得など、好調なセールスが目立ちました。

オリコン週間チャートでは2週連続のTOP10入り(2003年「風のららら」以来)を果たしたほか、現在オリコンチャート8週目(6/12付週間シングルチャート)時点で、累計が5.9万枚となっており、間もなく2005年の「Growing of my heart」以来、約11年半ぶりの累計6万枚超えを達成する見込み。まさに、倉木麻衣久々のヒット作と言って過言ではないでしょう。


この好セールスに関してはやはり「劇場版 名探偵コナン」が近年非常に好調な興行収入を記録しており、そんなコナン映画に寄せた楽曲を発表することで、大きな相乗効果があったためではありますが、もちろん楽曲としての完成度が高いのも理由でしょう。

先述したとおり、映画に合わせて和のテイストを取り入れた楽曲なのですが、メロディは近年の倉木麻衣楽曲と比べると非常にわかりやすく親しみやすい印象を受けます。サビではしっかりとインパクトを与える「から紅に染まる渡月橋」の一節があり、一度聞くと強く耳に残ること間違いなしです。倉木麻衣のささやくような繊細なボーカルも歌の世界観にマッチしていて、一途で切ない恋心を描く詞がより際立っています。

映画を観て、今回の楽曲を聴くことでより楽しめるというのは間違いないでしょうが、仮に映画を観ていなくても曲単体として十分な出来栄えの良曲です。



倉木麻衣「渡月橋 ~君 想ふ~」