BUCK-TICK「HURRY UP MODE」(1987/4/1)

1.PROLOGUE
2.PLASTIC SYNDROME TYPEⅡ
3.HURRY UP MODE
4.TELEPHONE MURDER
5.FLY HIGH
6.ONE NIGHT BALLET
7.MOON LIGHT
8.FOR DANGEROUS KIDS
9.ROMANESQUE
10.SECRET REACTION
11.STAY GOLD




今作はデビュー30周年を迎えたロックバンド、BUCK-TICKが1987年にリリースした記念すべき1stアルバム。

当初は太陽レコードよりインディーズでリリースされましたが、後にビクターから1990年、2002年、2007年と3度再発されています。特に1990年のものはオリコン1位を獲得するヒット作となっており、現在ブックオフ等で見かけるものはほとんどが1990年再発の「HURRY UP MODE(1990MIX)」だと思われます。

さて、そんな今作。1stアルバムということもあり、櫻井さんの声も若く、歌唱も荒削りで、今の魔王然とした櫻井さんしか知らないと、その初々しさに驚くかもしれません。楽曲面でもまだ現在のような暗黒路線には開花しておらず、BØOWY先輩よろしく、ビートロック、パンク・ロックな楽曲が多く収録されており、素直なアルバムに仕上がっています。言ってしまえば出来は普通なんですけど、それでも今井さんの強烈なポップ性はすでに片鱗を見せており、ファンとして一聴の価値あり。

なんといっても、今作はライブでの鉄板曲「FLY HIGH」が収められた数少ないアルバムですからね。「FLY HIGH」は今作の中でも抜群にメロディが良く、頭一つ抜けた楽曲で、サビのコール&レスポンスが非常に盛り上がるということもあり、今でも頻繁にライブの要所で歌われる1曲。9/23、9/24と2daysで行われる30周年記念野外ライブでも両日に「FLY side」「HIGH side」と冠されるほどですから、バンド的にも恐らく重要視されている曲なんじゃないでしょうか。この曲、もうイントロの時点で名曲の匂いがプンプンするのですが、実際に名曲。Bメロ及びサビの櫻井さんとコーラスの掛け合いの絶妙さは、今聴いても鮮烈に感じます。しかし、そんな曲ではありますが、「HURRY UP MODE」に収録されて以降は2012年の「CATALOGUE VICTOR → MERCURY 87-99」に収録されるまで25年間再録がなく、ついでに映像化もほとんどされておらず、聴くためには「HURRY UP MODE」を手に取るのが簡単な方法だったりします。

また、櫻井さん作曲の楽曲が収録されているところもこのアルバムの大きなポイントでしょう。トラック1のインスト曲「PROLOGUE」とトラック2の「PLASTIC SYNDROME TYPEⅡ」の作曲が櫻井敦司となっています。今はもうない貴重な櫻井楽曲ですから、これもファンであれば聴いておきたいところ。

その他、後に「殺シノ調ベ」でリメイクされる「MOON LIGHT」の原曲や、表題曲でもある「HURRY UP MODE」、今作収録曲でとりわけ異彩を放つ「ROMANESQUE」など、これ以降のBUCK-TICKを感じさせる楽曲にも注目です。

というわけで、安価で比較的簡単に手に入るアルバムなので、新しくBUCK-TICKを好きになった方にも気軽に手にとって頂いて、今ではすっかり闇の擬人化のような存在となっているBUCK-TICKだけど、こんな時代もあったのね、なんだか異常に音がペラペラね、など遠い過去に思い馳せてみてください。