BUCK-TICK「No.0」(2018/3/14)

1.零式13型「愛」
2.美醜LOVE
3.GUSTAVE
4.Moon さよならを教えて
5.薔薇色十字団 -Rosen Kreuzer-
6.サロメ -femme fatale-
7.Ophelia
8.光の帝国
9.ノスタルジア -ヰタ メカニカリス-
10.IGNITER
11.BABEL
12.ゲルニカの夜
13.胎内回帰



ついにメンバーチェンジをすることもなく、長期の活動休止もすることなく、デビュー30周年を迎えたロックバンド、BUCK-TICKが31年目の春にリリースした21枚目のオリジナルアルバム。

大きな節目の年を迎えても、良い意味で変わらないのがBUCK-TICKといいますか、今作も前作の陸続きにあるような、至って普通ではないアルバムに仕上がっています。

全体的にはここ数作続くデジタルの波が未だ引かずという感じながらも、ややバンドサウンドが盛り返してきた印象もあり、それらが上手く融合してバランスの取れた形になっていると感じました。特にアルバム曲では顕著にそれが出ており、飛び道具的な新しさもありながら、非常にBUCK-TICKらしいと思える楽曲が並んだのでないでしょうか。それ故に普通ではないのですが。

曲名からして若干怯んでしまいますが、そのサウンドと意味深な歌詞が一曲目にしてはあまりにも重たい「零式13型「愛」」で幕を開ける時点でそもそもおかしい。ファンにとってはもはや慣れっこですが、ライト層のとっつきにくさでは前作といい勝負かもしれません。特に5~10曲目あたりの中盤が厳しい。スルメ度高しです。

アルバム曲が攻めすぎている結果、先行シングル曲が癒やしスポットと化すのもBUCK-TICKらしさでしょうか。露骨にゴシックさを強調した「BABEL」はステレオタイプ的な"BUCK-TICKらしさ”でわかりやすいですし、「Moon さよならを教えて」は儚く美しいメロディが際立つ必殺のバラードで、今作一の聴きやすさです。


BUCK-TICK「Moon さよならを教えて」
…フルVer.だと終盤の疾走感がたまらない


ただ、終盤2作の「ゲルニカの夜」、「胎内回帰」では、また違った顔を見せてくれます。櫻井さんがこれまで何度もテーマにしてきた反戦、「胎内回帰」では沖縄戦も題材にされており、序盤~中盤の流れとは少し異なる世界観で展開される楽曲です。特に「胎内回帰」はシンプルなサウンドで展開され、ある種爽やかささえ感じます。ストレートなメッセージ性に心打たれる1曲です。

「愛」で始まり、「愛」で終わるのはとてもBUCK-TICKらしいですし、そういった根底だけは絶対にブレないところが長年続く理由なのかなと思いますね。

というわけで、今作も我が道を行ってるだけに、アルバムもそうなってますが、それに食らいつくのがファンの使命ということで。

不思議と繰り返し聴きたくなるBUCK-TICKミュージックを、みなさん、何度も聴いて、しっかりと洗脳されましょう。


「No.0」全曲試聴トレーラー